不妊治療で注目すべきデータ

投稿日時:2023/02/02(木) 10:18

不妊治療を始めるにあたって、
どのようにして今の病院を選びましたか?

家から通いやすい場所だからでしょうか、
写真や外観からみる病院の印象でしょうか、
それとも、大看板的に掲げられた成功率の数字でしょうか。
その基準は、様々だと思います。

私が思う一番の重要ポイントは、
まずは、同年代の方の人工授精成功率を知ること。
ほとんどの不妊治療クリニックでは、
実績として年代別の数字を掲載されていると思います。



しかしどれだけ病院での実績が高くても、
統計データでは、自然妊娠の確率は35歳を境に
一気に低下するという数字が出ています。
そして、残念なことに35歳以降の流産率は高くなっていくのです。

今のあなたの年齢が、どこに当てはまるかによって、
治療方法は当然変わってきます。

とはいえ、どの年齢であっても共通していえることがあります。
それは、「自分の身体を知る」ということです。

普段の睡眠時間、気分の変化、食事の傾向、
体質、姿勢など、自分の身体を知るためには
これらを複合的に見ていく必要があります。

不妊治療を行っている方に、
もう一つ知っておいていただきたいことがあります。
それは、「不妊治療は体質改善ではない」ということ。

不妊治療とは、妊娠することを目的に行われるもので、
母体となる女性の身体に、相当な負荷がかかります。

排卵周期から計算して指導されるタイミング療法はともかく、
排卵誘発剤を使用した卵子の採卵によるダメージは、
卵巣機能の低下を促進させてしまいます。

それなのに、35歳以上というだけで
タイミング法を用いることは、ほぼなくなり、
最初から体外受精や人工授精を推奨されるようになります。
なぜなら、毎日作られる精子と異なり、
女性の卵子は生まれた時に、すでに生成が完了していて、
排卵が起こるたびに減り、老化していく一方だからです。

そのため、治療時に卵巣を傷つけすぎないようにする
保管療法に注目が集まっています。



今、オーソモレキュラー栄養医学(分子整合栄養医学)による、
栄養療法を取り入れた治療を行うクリニックが
増えているそうです。

オーソモレキュラー栄養医学とは、
生化学者であるライナス・ポーリング博士によって
提唱された医学です。

人間が活動するためには、様々な栄養が必要です。

オーソモレキュラー栄養医学では、
栄養を正しく摂取することで、
病気の予防や治療が可能となるという考えのもと、
1人ずつ異なる治療が行われます。

同じ「人間」という身体を持っていても、
お一人おひとり、癖や姿勢が違うために
同じ施術を行うことができない整体と
どこか似ているような気がします。

さきほど、不妊治療は体質改善ではないと言いましたが、
正にその通りなのです。

令和4年4月より、不妊治療への保険適用が認められましたが、
保管療法は対象外のままです。

近い将来、
政府も漢方や栄養療法、整体などの保管療法の重要性に気がついて、
トータルで不妊治療が行われるような制度が整うといいなと思います。